赤字決算の場合法人税はどうなる?申告は必要?
経済活動を行う企業にとって、利益を生み出して黒字で決算を迎えたいものではありますが、経営環境や事業戦略の選択によっては赤字決算となる場合もあります。
黒字で利益が出ている時に法人税を納めなければならないのは勿論ですが、赤字決算の時には法人税の申告や納税の義務はどうなるのでしょうか。
本記事では、赤字決算の場合の法人税について申告や納税の義務についても含めて詳しく解説します。
赤字決算の状態とは?赤字決算の判断方法
赤字決算とは、ある事業年度の売上が経費を下回って会計上での利益がマイナスとなる状態、つまりは最終的な利益額がマイナスである状態を指します。
赤字決算かどうかの具体的な判断は、経常利益がマイナスであるかどうかを基準に判断します。
特に、税法上の所得がマイナスとなる場合を「税法上の赤字」といいます。
赤字決算であるか判断する際には、売上にかかわる経費が重要な要素となります。
そのため、経費がしっかりと税法上で認められる対象であるか、金額は誤っていないかに注意しましょう。
例えば、事業に必要な備品などの減価償却額に誤りが存在し、本来は黒字であった場合です。
この場合、法人税の納付義務も生じます。
法人税申告の第一歩として、適切に経費精算が行えているのかはしっかりとチェックするようにしましょう。
赤字決算の状態の時、法人税はどうなる?申告は必要か
赤字決算の場合、一般的には所得がないため法人税は課税されません。
そのため、納税義務は存在しません。
しかし、法人税の申告義務は存在するため、注意が必要です。
法人税法に基づき、通常時と同様に毎事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に申告を行いましょう。
なお、赤字を計上した場合、その損失額を将来の黒字(所得)に充当し、赤字額を相殺することが可能です。
これを「損失の繰越控除」といいます。
繰越控除期間は10年間で、将来黒字となった場合にその年の利益から過去の赤字分を差し引くことができます。
このため、場合によっては単年度では黒字決算でも法人税を支払う必要がない場合もあります。
赤字決算の時における法人税申告の注意点
赤字決算の場合でも法人税申告は必須であり、申告に際しては以下の点に注意が必要です。
まず、赤字であるから申告は不要であると思って申告を怠った場合、税務署からの追徴課税や罰則が科される可能性があります。
次に、「損失の繰越控除」を行える点です。
赤字の金額を適切に管理し、赤字の時は勿論、繰越のできる黒字の時にも適切に申告書類に記入することが重要です。
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