事業承継税制のメリット・デメリット
事業承継税制とは、今の経営者から次の後継者に事業承継し、将来的に、さらに次の後継者に事業承継ができた場合、本来支払うはずだった相続税(もしくは贈与税)を全額猶予または免除される制度です。
しかし、事業承継税制にはさまざまなデメリットがあり、あまり活用されていないのが現状です。
本記事では、事業承継税制のメリット・デメリットを解説します。
メリット:相続税・贈与税が猶予(免除)される
事業承継税制のメリットは、相続税・贈与税が猶予(免除)されることです。
会社の規模によっては、納税額が数億円となる場合もあるため、後継者または会社にとって大きなメリットです。
デメリット①:制度が複雑かつ手続きが煩雑
事業承継税制の最大のデメリットは制度が複雑かつ手続きが煩雑な点です。
適用にあたっては、多くの必要書類をそろえ、書類審査を受けなければなりません。
特例承継計画等の書類作成には経営や税に関する専門的な知識を要し、労力や手間がかかります。
また、制度は当初導入された一般措置(平成30年以前)と特別措置(平成30年改正)の2つがありますが、一般措置と特例措置では適用条件や制度が異なります。
一般的には適用条件が比較的緩い特例措置の適用を目指しますが、適用期限が令和9年(2027年)12月31日までとなっているため、ご注意ください。
デメリット②:適用条件が厳しい
事業承継税制の主な適用条件は、以下の通りです。
- 現経営者が代表取締役を務めた経験あり
- 後継者が贈与を受ける際に会社の代表取締役である
- 会社が中小企業(業種別に資本金や従業員数で判断)
- 審査期間中、後継者が会社の代表を維持
- 従業員の雇用を8割以上を維持
- 後継者がさらに次の後継者に事業承継する
他にも適用条件が多くかつ細かい条件が含まれ、全期間を通じてすべての条件を満たさないと事業承継税制は適用されません。
デメリット③:常に取り消しのリスクが伴う
事業承継税制は一度、審査を通過しても、5年に及ぶ審査期間中、毎年必要書類を提出しなければなりません。
その期間を通じて、適用条件から少しでも外れると、事業承継税制は取り消され、猶予または免除されるはずだった税金を納めなくてはなりません。
後から取り消しされると、本来の納税期限がすぎるため、延滞税がかかる可能性があります。
事業承継税制は適用条件さえ当てはまれば、企業や経営者にとって、大きなメリットがあるため、専門家に将来のシミュレーションをしてもらうのもよいでしょう。
事業承継税制に関するご相談は、岡田税理士事務所までご連絡ください。
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