持株会社を活用した事業承継のメリット・デメリットとは
中小企業の事業承継における課題のひとつに、自社株の評価額高騰に伴う多額の税負担があります。
す。
本記事では、持株会社を活用した事業承継のメリットとデメリットを解説します。
持株会社を事業承継に活用するメリット
持株会社を活用する事業承継には、次のようなメリットがあります。
自社株の株価、評価額を抑制できる
事業会社の株式を新たに設立した持株会社に集約することで、自社株式の株価、評価額の上昇を抑制できる可能性があります。
これは、企業価値を算定する評価方法の違いを税務上利用する手法で、結果として相続税や贈与税の負担増を防ぐ効果が見込まれます。
業績好調な企業ほど株価が高くなる傾向があるため、持株会社を間に挟むことで、計画的かつ長期的な視点での株式移転が可能となります。
納税資金や退職金を確保できる
持株会社が現経営者から事業会社の株式を買い取ることで、現経営者側にまとまった現金を確保する手法が有効です。
この方法により、現経営者は売主としてまとまった現金を確保でき、引退後の生活資金や他の相続人への円滑な分配資金として活用できます。
一方、後継者は高額な株式取得の負担を軽減でき、スムーズな経営権移行が実現します。
さらに、持株会社がグループ全体を統括することで、後継者による強固な支配体制の構築にも繋がります。
持株会社を事業承継に活用するデメリット
持株会社の活用にはメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。
設立や維持に一定のコストが生じる
事業承継に持株会社を活用するデメリットとして新たな法人設立時の初期費用に加え、法人住民税の均等割や決算申告に係る税理士報酬などの維持費用がかかる点です。
また、狙った株価抑制効果が安定し、十分な節税メリットを享受できるまでには、3年から5年程度の期間を要することが一般的です。
そのため、短期間での承継が必要な差し迫った状況では、費用対効果が見合わない可能性があります。
税務上の取り扱いが複雑になる点
事業承継に持株会社を活用する場合、税務上の取り扱いが複雑になる点はデメリットといえます。
持株会社化に伴う株価算定やグループ全体の税務計算、および関連する税務処理はかなり複雑です。
また、事業会社から持株会社への配当金移動などにより資金繰りの調整が必要となり、グループ経理部門の負担が増加する可能性もあります。
特に、単なる節税目的とみなされた場合、税務当局から否認されるリスクがあり、多額の追徴課税を受ける可能性もあります。
まとめ
持株会社の活用は、自社株評価の抑制や現預金の確保という点で、事業承継における非常に有効な選択肢のひとつです。
しかし、設立・維持コストや行為計算否認規定の適用といった税務上のリスクも存在するため、長期的かつ総合的な視点での慎重な判断が必要です。
スクとリターンを正確に把握するためにも、早い段階で経験豊富な税理士へ相談し、精緻なシミュレーションを実施することが大切です。
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