吸収合併の特徴|合併前の契約はすべて承継される?
会社経営の世界では、会社同士の合併というのは珍しくありません。
単なる統合ではなく、吸収合併の場合には合併前の契約が守られるかは、吸収される側の会社にとっては知っておきたいポイントです。
この記事では合併前の契約はすべて承継されるのかについて解説していきます。
吸収合併とは?
吸収合併は2つの会社の合併の種類であり、片方の会社を残して、もう一方の会社を消滅させる合併を指します。
その際に、会社の権利義務の全てを存続会社に承継させることが特徴です。
吸収される側の会社としては、合併前に契約がどうなるかは合併交渉の際にしっかりと調整しておく必要があります。
吸収合併前の契約は原則としてすべて承継される
吸収合併前の契約は、原則としてすべて承継されます。
吸収合併が行われると、取引先などにも影響が出てしまうため、消滅する会社の契約はどうなるのかは知っておく必要があります。
承継される契約
承継される契約にはどんなものがあるのかをみていきます。
- 取引先との取引基本契約
- ITシステム利用契約
- 賃貸借契約
- 特許権等の知的財産権のライセンス契約など
これらの契約はあくまでも一例であり、他にもさまざまな契約が承継されます。
COC条項を結んだ場合には解除の可能性あり
原則として合併前の契約は承継されますが、例外も存在します。
それが「チェンジオブコントロール条項(COC条項)」が発動された場合です。
COC条項は会社経営において経営陣や主要株主の支配権が大きく変わった場合に、契約内容に制限をかけたり、もう一方の当事者によって合併前の契約を解除したりできるようになる条項です。
たとえば、吸収合併のケースでは、A社とB社に契約があり、A社が吸収合併されたとします。
すると、B社はA社の経営権・支配権が変更・移動したことを理由に契約に制限をかけたり、契約解除したりすることができます。
吸収合併が実行された場合には、取引先の会社に対してCOC条項を行使するかを確認する必要があります。
まとめ
吸収合併では、基本的には合併前に存在した契約はすべて承継されます。
しかし、契約前の合意によってCOC条項などが盛り込まれている場合にはこの限りではありません。
吸収合併の場合には契約の承継はもちろん、雇用や財務にも大きな影響が出てきます。
より慎重に交渉をしたい場合には税制などに詳しい税理士の助言を仰ぐことを検討してみるといいでしょう。
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